苛立ちを覚えながら、寝室に入る。


シャワーを浴びようと思って、着替えを出すために。


ベッドの上に、見慣れない茶色の封筒があった。


「何だこれ」


結柚のもんだと思うけど。


好奇心というものは、高1でも有り余ってるもので、中身が気になる。


……ちょっとぐらい見てもいいだろ。


見られて困るものならこんな所に置かないだろーし。


好奇心と自制心の勝負は、好奇心の圧勝。


封筒に手を伸ばして中身を出す。


中身は新聞の記事のコピーだった。


けっこう古い記事っぽい。


新聞なんか普段読まないから、新鮮だ。


サァーと目を通してると、下の方で気になる名前を見つけた。


俺の両親の名前だ。