〝麗園寺結柚の元の名前は岡村結柚〟


〝殺人鬼の娘〟


〝穢れた血〟


と。


「……どういうつもり」


誰にともなく聞く。


この黒板に書いてあることは、事実。


そして、その事実を知ってるのは叶多だけ。


叶多がこんなこと書くわけない。


誰が書いたのよ……っ。


「これ書いたの誰だよ」


叶多の低い声が教室に響く。


「……麗園寺さんってあの殺人鬼の娘だったんだぁ?怖ーい」


クラスメートの誰かが言ったその言葉が、私の心の傷をえぐった。


「殺人鬼の娘なんか死ねばいいのに。私、あの殺人鬼に親戚殺されたんだよね」