それを合図に、不平が溢れ返る。


「俺がコイツを姫にしたいから姫にするんだよ。それがたまたま麗桜の姫だけだっただけだ。いいか。コイツには文句言うな。俺に言え。コイツを姫にするって決めたのは俺だ」


キッパリ言い切る叶多。


普段とは違って〝総長〟の顔だった。


「叶多さん惚れ直しましたーーー!!!大好きッス!!」


カタマサが大声で叫んだ。


それに対して笑いが起きる。


笑いが収まってからは誰も文句を言う人がいなかった。


カタマサがそれを見越して叫んだのかもしれない。


「じゃー、俺からは以上!」


叶多がステージから降りたから、私も並んで降りる。


「麗桜の元姫とか言う必要ねぇだろ」


叶多がボソっと言った。


「……隠しておくのもなんかなぁって思ったから」