勇をにらみつけながら、私はとりあえず言葉を発する。


「守られるだけの姫は嫌だから、皆の役に立てるよう頑張ります」


叶多がすでに私のことを黒風だと話してくれている。


「……あと。もう1つだけ…。私は、麗桜の元姫です」


仲間…なんだから隠し事はなしだよね?


叶多は触れなかったけど、私は話すべきだと思った。


まだ人を信じるのが怖い私ができる、唯一の忠誠……かな。


案の定、ザワザワする倉庫内。


幹部だけは優しい表情で見守ってくれている。


「麗桜の元姫を蒼竜の姫にする必要あるんスか」


誰かが言った。