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コンビニでおにぎりを3つ買ってから叶多の家に戻ると、寝てるはずの叶多がリビングにいた。
「何してるの?」
私が声をかけると、安堵したような表情をした叶多。
「目覚めたらお前いなかったら、連絡しようとしてたところ」
「そんなの別に連絡とかいらないよ。心配性すぎだよ」
口ではそう言ったけど、ホントは少し嬉しい。
夜中に外出して心配されたのは初めてだから。
「何となくそのまま消えんじゃねぇか…とか思ったらさ」
消える?
そんなバカな。
「幽霊じゃないんだから。私は」
どっちかと言うと、消えたくても消えることのできない地縛霊だ。
何度消えたいと思ったことか。
「まーな。あ、おにぎり1個ちょうだい」
私がソファに座って食べ始めたら、叶多がさも当たり前かのように手を出してきた。



