「はい、もしもし……」 美花は気だるそうに電話に出た。 「あっ、美花! やっと繋がった……!」 「メイ? なんだよ、そんなに慌てて」 電話の主はメイであった。声からしていつもより動揺しているのが分かった。電話のむこうでは何かあわただしく動き回る人の声が聞こえてくる。 「美花、落ち着いて聞いて……今、大野先輩が大変なの……」 美花はメイの話に耳を傾けた。 「えっ…! 冗談だろ……」 美花は唖然とした表情のままビクリと体を震わせた。美花は風花の病室を飛び出すと、急いで大野の家へ向かった。