ガシャン………!! メイの呼びかけに応じるかのように、病室の窓が突然、音をたてて割れた。 割れたガラスの破片はキラキラと月の光を浴びながら窓の外へと落ちていく。 「メイ……」 三階の病室の外からメイを呼ぶ少女の声が聞こえてきた。 メイはその声を聞いて立ち上がると、割れた窓から病室の外を見下ろした。 奇妙なほどの静けさをまとった夏の夜の風が、メイの長い茶髪と白い肌をさらりと撫でた。