男は祐希の腹部を手にしていたナイフで突き刺したのだ。
「ああ……ああ…」
祐希はナイフを刺された勢いで後ろにむかってよろけた。ブラウスの腹部が血で絵の具をこぼしたように赤く濡れる。
祐希の右足はよろけた勢いのままアスファルトの地面を踏み損ねた。祐希は線路の中に吸い込まれていく。
ダメ!!!!!!
メイは祐希にむかって思いっきり手をのばした。
祐希もまた懸命にメイの手を取ろうとする。
一瞬の緊張の中、メイの目には傷みと恐怖で涙を流す祐希の黒くて大きな瞳が映った。
祐希の涙がメイの肌に触れる。
「ユウ………」



