「今回のこと、本当にありがとう。私一人じゃ、どうなっていたか……」
祐希は視線をそらしながら二人に言った。
祐希は喰イ喰イとの争いでメイと詩依を危険な目にあわせてしまったことをずっと後悔していた。
もちろん、それはいつか詩依が言ったように祐希のためだけではない。
それでも、祐希はそれが祐希の弱さに起因すると感じていた。
「いいよ。私はただ、一人の友達として当たり前のことをしただけだからさ」
メイは優しい口調で言った。
「そうね、メイの言う通りだわ」
詩依もメイの後にゆっくりと頷いた。
「ありがとう…」
祐希はそれを聞いてまた嬉しそうに言った。
「それじゃあ、メイ、詩依」
祐希はメイと詩依の間を二人の肩を叩きながら抜けると、もじもじとしながら後ろを振り返り恥ずかしそうに言った。
「こんな私のこと、いつまでも『友達』って呼んでくれる? どんな時でも、私の側にいてくれる?」
祐希の顔はほんのりと赤かった。
まるでそれは初めて男子に告白する乙女のようである。
「ふふっ」
メイはそんな祐希がとても愛しく思い、笑みを浮かべた。
「もちろん」
そしてメイは祐希に手をさしのべると、
「私からもお願い、これからもずっと、私の『友達』でいて! 祐希!」
メイもまた、祐希と同じように言った。
電車のライトが三人を照らす。
彼女達の影は地下のホームに真っ直ぐと延びた。



