☆☆☆
メイと詩依が中庭で別れてからの約15分間。
作戦の成功はメイが水面下で準備が進められるよういかに時間を稼げるかが鍵であった。
学校の廊下に携帯の音が響いた。
「アア…………」
一、二、三、四、五、六、七、八、九………
廊下には血まみれの人形が手足をもぎ取られた状態でいたるところに横たわっている。
精巧に作られた小さな人形達が横たわる姿は虐殺された子供のようであった。
「はぁ、はぁ……」
メイの制服は人形の返り血でひどく汚れていた。メイは携帯の音を聞くと左手にあった朝比奈朱実のセーラー服を強く握った。
「メイ、メイ…!!」
メイの右手には小綺麗な服を着た肌の白い人形が握られていた。
人形は目を潰されており、そこから涙のような黒い血を流した。最後の抵抗か、人形はメイの腕を噛んだ。メイは人形を窓から放り投げた。
「いるんでしょ? 喰イ喰イ。出てきなよ…!」
メイは廊下にのびる闇の中にむかって叫んだ。



