「はぁ……」


祐希らが学校を奔走している頃、祐人は一人、叔父宅にある一室で布団の上で横になりながら携帯を眺めていた。


「姉ちゃんまだかな……」


そこは祐希の叔父が二人のためにあけてくれた部屋である。


多少散らかっていたが、内装は和風で大きめの棚の上には民家特有の古い和人形が並べられていた。


「こんな時間までどこで何やってるんだろう? いつもなら遅くなると携帯にメールしてくるのに…」


時刻は夜の11時近く。普段ならとっくに帰ってきている時間だ。


祐希を心配する祐人の目の前に、突然、棚の上にある人形が一体落ちてきた。


「うわっ……!」


祐人は起き上がってその倒れた人形を見つめた。


なんか不気味な人形…


そんは感想を祐人が持つとほぼ同時に、


ガンガンッ、ガンガンッ!!


玄関の扉を何者かが激しく叩く音が聞こえてきた。