「嫌あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…!!!」


人形は麻衣の顔を引き裂いた。


「こ゛な゛い゛て゛ぇ゛ぇ゛!!! こ゛な゛い゛で゛え゛ぇ゛ぇ゛!!!!!!!!」


「アハハハハハハッ……!!」


さらに激しく飛び散る血につられて人形達は一斉に麻衣に食いかかった。


「嫌゛た゛嫌゛た゛嫌゛た゛嫌゛た゛あ゛あ゛!!! 死゛に゛た゛く゛な゛い゛、死゛に゛た゛く゛な゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!!!!!!!」


麻衣の肉片は無数の人形に食い千切られた。


髪、目、睫毛、眉毛、顎、あらゆる器官を人形達は奪い去る。


やがて傷は臓器にまで到達し、ありふれた学校の下駄箱に本物の人間の内臓をぶちまけた。


それでも、人形達は攻撃を止めようとしない。血に飢えた鮫のように彼女の身体を喰らう。


「あまり遺体を傷つけられると、きれいに操れないのだけれど…」


喰イ喰イは手についた血をなめながら人形達に諭したが、人形達は動かなくなった麻衣の死体を貪り続けた。


「まぁ、いいかしら、その子はもう要らないし……」


それからわずか一分足らずで、人形達は麻衣の体の半分は食いつくしてしまった。


「さぁ、もういいでしょ…」


そう言ってまた喰イ喰イがどこかへ歩き出すと、人形達はようやく我にかえって主人の後を追った。


無惨にも傷つけられた麻衣の肉塊はもはや人の体を成していなかった。


それはさながら道端に死んだ猫の腐乱死体のようであった。