メイの手首からドクドクと赤い血が流れてくる。


ボサボサの茶髪をかき分けながら、メイはその血をクマだらけの目でボーッと眺めた。


手首には紫色に腫れた無数の傷が痛々しくきざまれている。その傷は全て、メイが自らつけたリスカの跡だった。


「…………」


メイは手首から滴る血を右手の爪につける。そして、机の上にある小さな紙に、その血である文章を書き出した。


それはメイが深い憎しみと後悔の念をこめて書き綴った、彼女の『不幸』と『呪い』の言葉だった。


「さぁ、約束したでしょ? 来なさいよ、喰イ喰イ……」


メイは爪についた血をなめながら『喰イ喰イ』にむけて呟いた。