Miseria ~幸せな悲劇~



いる。すぐそこまで来てる。


メイはただならぬ気配を扉の向こうに感じていた。


窓から逃げる?


いや、この距離ならすぐに追いつかれる。


このままじっとしていた方が…


詩依の額から汗がこぼれ落ちる。祐希も体の震えを必死で押さえつけていた。


「…………」


メイは扉に耳をあてて全神経を聴覚に集中させた。


こうなったら、私がやるしかない…


喰イ喰イが扉を開ける前に奇襲を仕掛ける。そう思ってメイが扉の取っ手に触れると、


「…………いるの、メイ? そこに?」


「………!!!!」


メイが扉を開けるより前に、喰イ喰イが扉のむこうのこちらに向かって語りかけてきた。


や……やばい…!


三人の間に戦慄が走る。


気づかれた……!?