「落ち着いて詩依…」
メイはいつも通りの口調で詩依をたしなめた。
「ねぇ、私はまだ喰イ喰イを見たことないんだけど…あの女の子が喰イ喰イであってるのね?」
メイが尋ねた。
「うん、私は夢の中で喰イ喰イに会ったことがあるから…」
祐希が答えた。彼女も表情は怯え混乱している様子だった。
「あいつの黒髪に、飾り物みたいな青い目。あいつは私が夢の中で見た喰イ喰イそのものだった。まるで私の夢が、私の中から……」
祐希はメイの質問に淡々と答えていたが、そこまでいいかけて突然、体がブルブルと震えだした。
「わ、私の現実を蝕みにきたみたいで……私、こ、怖いよ……」
祐希は顔をひきつらせた。
「祐希、いちいちびびらないで! 祐希がしっかりするって自分で決めたんでしょ?」
メイはそんな祐希に強い口調で言った。
「ご、ごめん…」
祐希は小さく頷いた。そして震えを止めるように深呼吸した。
「私は夢のことはよく覚えてないけれど、あいつの顔にはどこか見覚えがあるわ。だからあいつが喰イ喰イで間違いないと思う…」
詩依はあがった息を整えながら言った。



