グギリッッ!!と、彼の首から骨が千切れるような恐ろしい音がした。
同時に足がダラリと垂れ下がった。首の骨が完全に折れてしまったのか。全身から魂が抜けて人が物に変わったように、男は吊るされたままピクリとも動かない。
それはメイ達がはじめて間近で見た人間の生の終わりだった。
「に、逃げよ! みんな…!」
沈黙のまま凍りついていた祐希と詩依にメイが呼びかけた。
「うん……」
ゆっくりと近づく喰イ喰イとは反対方向にメイと祐希は走り出した。
そんな中、詩依は立ち止まって動かなくなった警備員をジッと見ていた。まずい追いつかれる。
「詩依!」
メイは詩依に呼びかけた。だが返事はない。喰イ喰イはどんどん詩依との距離を縮めてくる。
「くそっ……!」
詩依は吊るされた警備員に向けて走った。そして、彼の死体の腰から鍵の束を取った。
メイは詩依の行動の意味を理解した。学校の教室一つ一つの鍵は警備員が管理している。これがなければ教室の調査ができないのだ。
詩依は鍵を持つと全速力でメイ達のもとに向かった。心臓の弱い彼女はゼェゼェと息を切らせる。足も速くはない。
メイは彼女の手を掴むと、振り返ることもなく全力で走った。



