「あっ、そうだ…」


メイは制服の内ポケットの中から黒い髪留めを取り出した。


「それって美花の…!?」


裕希は食いつくような目で美花の髪留めを見つめた。


「うん。風花から預かってたんだ。卒業まで私達と一緒にいてほしいって」


そう言ってメイは美花の髪留めを右手首につけた。


「これでいつも通り四人だね。私達」


メイはどこか嬉しそうに呟いた。それから拳を二人にかざした。


「うん、そうだね!」


裕希はメイに応えるように拳を前に出した。


「ふん、バカね。放課後のシスターズファイト~! おっー! なんてやらないからね」


詩依は少し恥ずかしそうに拳を出した。


「よしっ! いくよ!!!」


パチンーーー!!!!!


メイの掛け声のあとに、三人はさながら試合前の女子バスケ部のように拳をぶつけ合った。


祐人を助けるために、そして、彼女達の不幸を乗り越えるために、ついに喰イ喰イとの対決が始まる。