Miseria ~幸せな悲劇~



「あっ、今本気にするなんて子供みたい。ってばかにしたしょ!」


祐希はふくれた表情で言った。自分が真剣な割にメイが相手にしていないことを感じ取ったのだろう。


「ははっ、だってそれ都市伝説の類いでしょ? なんか嘘くさいっていうかさ」


メイは祐希に構わず確保していたチーズ味のポテチを食べた。


「でも、先輩は実際に呼び出せた人もたくさんいるって言ってたし…」


祐希は不満そうにもじもじと身体を揺らした。どうやら祐希はメイに喰イ喰イについて真剣に取り合ってもらいたいらしい。


「なるほど…」


とはいえメイは、話の流れから、祐希はその先輩にからかわれているのだろう。とおおよその予想がついていた。


というのも、祐希は天然で子供のように他人の嘘を見抜けないところがある。それが原因でよくいじられるからだ。


そこが祐希のいじめがいのあるところ、もといい、可愛いところであるが、メイはさらに祐希がおかしく思えた。


「なにもしかして? 祐希はその話信じちゃってるの?」


メイは思わず祐希を茶化すように言った。