Miseria ~幸せな悲劇~


そんな祐人を祐希は強く抱き締めた。


「うわっ!」


祐人は思いがけない祐希の行動に恥ずかしそうな様子だった。メイ達の目線を気にして顔を赤くしている。


祐希の柔らかそうな胸に抱かれて、行き場のない祐人の手は気まずそうにくねくねとしていた。


「祐人、ごめんね……」


祐希は掠れた細い声で言った。祐希の頬を一筋の涙が流れる。


「姉ちゃん…?」


祐希の言葉に何かを感じたのか、祐人は祐希の背中に手を添えて祐希を抱いた。そして、涙を流す祐希を慰めるように背中をさすった。


二人の表情が少しずつ和らいでいく。お互いの体温を感じ合うことで安心感を抱いたのだろうか。


そういえば祐希は、メイに祐人のことを子供のように語っていたことがあった。自分が守らないといけない弱い子供だと。


しかし、中学の制服を着て、祐希と同じくらい身長も伸びつつある彼は、祐希が思っているほど子供ではないようにメイには思えた。現に祐人は今、裕希を優しく抱いて、彼女の心を支えようとしている。


「姉ちゃん。大丈夫?」


「うん…」


そんな二人を、メイは複雑な思いで見つめていた。