☆☆☆


「……!!!!」


なにっ? 今のは……?


放課後の教室で机に伏せて眠っていたメイであったが、突然、何かに呼ばれたように目を覚ますと、表情を濁らせながら辺りを見渡した。


悪い夢を見た。


包丁を祐希に向ける彼女の父親。不幸を書いた紙を飲み込む祐希。そして、青い目をした一人の少女。


断片的な映像が交錯する奇妙な夢だったが、メイはなぜかそれに強い現実感を感じた。


「祐希……」


窓から薄明かりがさしこむ。教室に残っている生徒はメイただ一人だ。


「………」


ふと窓際を見ると、そこには小さな人形が薄笑いを浮かべながら腰かけていた。


奇怪なことに、夢で見た人形と同じ。祐希にそっくりな人形だ。


「まさか………」


メイの脳裏に最悪のシナリオが過る。メイはすぐさま教室を飛び出して走っていった。