一体、何を見ているの……?


自分の後ろに誰かいるの……?


喰イ喰イは周囲の様子には一切目をくれず、一点を見つめたまま立ちつくしている。


そんな喰イ喰イの視線を追って祐希は後ろを振り返ろうとした。その時、


「メイ…………」


喰イ喰イがポツリとこぼした名前を祐希はたしかに耳にした。


今、メイって………?


聞き覚えのある親友の名前だ。だが、だとしたらなぜ、夢の中に彼女が……?


祐希は体を震わせたまま、ゆっくりと後ろを振り返った。


すると、真っ白な純白のドレスと、艶のある美しい長い茶髪が彼女の視界に映った。