「家族で、か……?」 そう言って祐希は静かに振り返った。そして、殺人鬼のように冷たい表情で晋吾を睨んだ。 「お父さん。私はね…………」 それは16の少女とは思えないほど、冷たく、深甚な表情だった。 晋吾は彼女のそんな表情に、初めて恐怖を覚えた。 「………ずっと、こうしたかったんだと思うよ」 祐希はにっこりと笑った。 しかし、その表情とは裏腹に、祐希の頬に一筋の涙が流れた。