一階では、祐希の父、水島晋吾が居間でひどく酔いつぶれていた。 「うう、うぐ……」 亡き妻の写真を片手に晋吾は子供のように涙を流している。 その日は奇しくも、妻、水島有香(ミズシマユウカ)の命日であった。 晋吾は有香が亡くなって以来、残された祐希と祐人を養い、一人前に育てていくことのみを彼の生き甲斐としてきた。 それは有香きっての願いであり、そして晋吾が有香の死の悲しみから目を背ける唯一の手段であった。 しかし、 「有香、有香ぁ…」 盛る気持ちとは裏腹に徐々に彼の歯車は狂いだした。