Miseria ~幸せな悲劇~



涙で溢れた弱々しい顔で、祐希は美花を見つめた。


「だからかわりに、私が祐希のことを守ってやるよ。祐希がダメな時、私がずっと側にいてやるから」


美花はニコリと笑った。


「美花ちゃん……」


祐希も小さく微笑んだ。ようやく祐希は笑顔を見せた。


「だから、もう泣くなよ。おまえが泣くと、私まで悲しくなるだろ」


そう言うと美花は少し恥ずかしげに視線をそらした。


「うん、ありがと」


母が死んでから、この時、祐希ははじめて温かい幸せを感じた。


「約束だからな」


「うん。約束だね」


約束の印に、祐希と美花は小指を引っ掛け合う。


そうして、二人はかけがえのない親友となった。それからずっと、一緒に歩んできた。