「ダメ、詩依……!」 恵はそんな詩依を抱き締めた。間一髪のところで詩依は我に帰った。 「今は堪えて。あんただけが辛いわけじゃないのよ」 「……」 詩依はその言葉にゆっくりと席に座った。そして、恵の胸の中でひっそりと泣いた。 「私だって……辛いのよ……」 押さえきれない悲しみが胸の奥から込み上げる。二人の絞り出すような淡い泣き声が式場に響いた。