Miseria ~幸せな悲劇~



晋吾は近くに捨てられていた酒瓶を手にした。


「返してこようよ……正直に話せばきっと許してもらえるよ……」


祐希は涙声で晋吾に諭した。


「……ちっ」


祐希の言葉を遮るように、晋吾は酒瓶を祐希の頭むかって投げつけた。祐希の頭に鋭い痛みが走る。酒瓶は祐希の頭に直撃したのだ。


「う゛ぐ……」


祐希は痛みのあまり床に倒れた。頭からどくどくと血が流れてくる。ガラスの破片が頭の皮膚に突き刺さっていた。とっさに傷口を押さえた右手に生暖かいドロッとした血液の感触がした。