「お父さん、帰ってるの?」
祐希は音のする居間の方へむかった。
「う゛う゛、う゛……」
そこには大量の酒瓶に埋もれて倒れている祐希の父、水島晋吾(ミズシマシンゴ)の姿があった。髪は乱雑に伸びきり、げっそりとした表情だ。
「だ、大丈夫!?」
祐希は心配そうに晋吾に駆け寄った。身体中から悪臭がする。鼻をつくような酒の臭いだ。
「うるさい、消えろ……」
晋吾はそんな祐希を払い除けた。
「……お水飲む? お酒、あんまり飲みすぎると体に毒だよ」
祐希は不安げに晋吾の顔を覗き込んだ。彼のギラギラとした目が祐希を睨み付ける。



