「……あれ?」 ふと足元を見ると、そこにはいつも立て掛けているはずの家族写真があった。 その写真にはヒビが入っており、まるであの頃の楽しかった思い出を否定するようだった。 「お母さん」 祐希は写真を拾い上げると、大事そうに鞄の中に入れた。祐希にとって母と過ごした思いでは何よりも大切な家族の記憶だった。 すると家の奥から、ドタンッと誰かが倒れるような音がした。