「ただいま……」
祐希は放課後の喰イ喰イの話を考えながら家についた。
「はぁ……」
喰イ喰イに対する恐怖心はあった。喰イ喰イに不幸を消してもらうための代償。美花も詩依も大野も、その代償に深く傷ついた。そして、もし、喰イ喰イに少しでも迫ろうとすれば、魅郷という先輩のように殺されてしまう。
しかし、何より祐希の頭を支配していたのは、喰イ喰イの持つ超自然的な力だった。美花の不幸の内容はまだ、祐希には分からなかったが、詩依と大野は、たしかに自身の運命から逃れることができた。
喰イ喰イの力をうまく使うことができれば、祐希もまた、運命を変えることができる。そういった淡い期待が彼女の中にあった。



