「てめぇみたいなやつには理解できないだろうけどな……! こいつは私にとってたった一人の大切な……」 美花は涙声でそう言いかけた。すると、 「……大丈夫。その子は助かる」 喰イ喰イは表情一つ変えずに呟いた。ハンカチで口に付着した血を拭い、美花の目を見つめる。 「あなたの不幸。確かに受け取った」 「ぐふっ……! げほげほ……!!」 美花の腕の中に包まれていた風花がびくりと痙攣を起こしながら息を吐いた。 ぼんやりとした風花の目がゆっくりと開く。