恋人は君以外で

くすくす、笑う顔は私を馬鹿にするようで、私を通して違う物を見て笑っていた。

私の言葉なんてあってもなくても彼には関係ない。

私の一言なんて、二人の始まりを彩る脚色でしかないから。

きっと、お刺身についている飾りの菊位にしか思っていないんだ。


彼の頭の中は新しい彼女との楽しい未来計画でいっぱいのはず。


私の占める面積なんて少しもないんだ。


その証拠に、静は私の隣を歩かなかった。


学校で待つ愛しい人に引き寄せられるように一歩先をスタスタと歩いていた。

私はわざとノロノロとペースを落として歩いていたのに、静は気が付かない。

遠ざかる背中を見ていたら涙で視界が揺れた。


やっぱり全然大丈夫じゃなかった。