メトロの中は、近過ぎです!

「オフィス内恋愛禁止なんじゃ…」
「今のは事故」

堂々と言ってのける大野さんに笑えた。

「早く行くぞ」

先にオフィスを出た大野さんを追って外に出ると、夜の風は少し暖かくなっていた。

自然に繋がれる手が恥ずかしいけど、嬉しくて、どちらともなく黙って新しい職場となるビルを見上げた。

明日からこの場所で、新しい仕事が始まる。


不安はたくさんあるけど、隣にいる人と一緒に頑張っていきたいって強く思う。

そう思いながら隣を見ると、大野さんもこっちを見てた。





「……好き」




「俺も……」








***完***