メトロの中は、近過ぎです!

「よし。2週間後に社内プレゼンだ。その日の準備も並行してやってくれ」
「はい」

こういう時、自然と返事も揃ってしまう。

「まずは、戸田」
「はい」
「今から俺が社内プレゼンについて全社にメールするから、そこの申し込みのメールアドレスはおまえのにしていいか?」
「はい」
「参加者の名簿を頼む。それから大野も。二人とも参加者の顔と名前を憶えろ」
「はい」
「中川。おまえには、本社と鶴見の移動手段とその手配を頼む」
「はい」
「森田と佐々木はここでの会議の準備を頼む」
「会議?」
「あぁ。見学した後に更に質疑応答だ。机と椅子とプロジェクターセットだ。あと飲み食いの準備も…」
「ここで宴会ですか?」
「いや、その日の宴会は銀座だ。本社の総務が手配するらしい」

南課長がイヤそうな顔をしている。

「おまえらも強制参加だからな」
「えっ…」

全員が絶句している。
私同様、みんなあんまり本社が好きじゃないらしい。

「俺だけ行かせるなよ。今じゃこの4課が会社の最大関心事らしいからな」
「クセモノ揃いのここが?」

森田さんは口が悪い。
でも違ってはいないと思う。

「あぁ。クセモノ達がどんなことしでかすか気になるんだろう」

南さんだって片方の口角が上がってる。