玄関ポーチからショールームの様子が見える。

前と全然違っていて、かなり近未来な感じのオシャレなショールームになっている。

「すご…」

思わずショールームのガラス張りの窓に吸い寄せられた。

「末岡さんのデザインだ」

後ろから大野さんの声がする。
振り返ると、大野さんがまっすぐ私の方を見ていた。

「そうですか…」

こんな才能がある人だったんだ。
改めて彼のことを全く分かってなかったんだって感じた。
そんな人を巻き込んで傷つけたかと思うと、顔が上げられない。

「入るか?」
「はい」

大野さんが鍵を開けて、私も黙ってその後に続いて玄関から入った。
事務所へ上る階段の横に、ショールームへの扉がある。

「大野さん、ちょっと見てきていいですか?」

大野さんは小さく頷いて、階段を登り始めた。