「戸田ー。下のサンプル少し持っていけー」
「森田。それ最後に乗せろ」
「大野さん。パソコン、そのバッグの中です」
あちこちから男たちの喧しい声が聞こえる。
「佐々木。あと一件メールするからちょっと待ってろ」
「分かりました。駐車場にいます」
車数台に分乗して、鶴見の営業所を目指す。
今日は引っ越しの日。
明日からの本格稼働に向けて、荷物を運び入れる。
引っ越しに間に合ってよかったとつくづく思う。
あれ以来、鶴見に行くのは初めて。
戸田君の話だと『かなりいい感じ』に改装されてるらしい。
そんな新しいオフィスに期待して、バタバタと荷物をまとめて4課を出た。
そして、最後に3課に顔を出した。
「行ってきまーす」
そこに残っていたのは松尾課長だけだったけど、2年近くお世話になった3課に挨拶しておきたかった。
この3課だったから私は救われたんだと、今なら思える。
「おう。もう行くのか?」
今は3課だけの課長になった松尾課長が律儀に返事をしてくれた。
「はい。行ってきます」
「そうか。佐々木、頑張れよ」
「はい…課長も」
「おう」
4課に行きたくないと我儘を言っていたのが昨日のことのよう。
最後に課長とニッコリ笑い合うと、エレベーターに乗りこんだ。
「森田。それ最後に乗せろ」
「大野さん。パソコン、そのバッグの中です」
あちこちから男たちの喧しい声が聞こえる。
「佐々木。あと一件メールするからちょっと待ってろ」
「分かりました。駐車場にいます」
車数台に分乗して、鶴見の営業所を目指す。
今日は引っ越しの日。
明日からの本格稼働に向けて、荷物を運び入れる。
引っ越しに間に合ってよかったとつくづく思う。
あれ以来、鶴見に行くのは初めて。
戸田君の話だと『かなりいい感じ』に改装されてるらしい。
そんな新しいオフィスに期待して、バタバタと荷物をまとめて4課を出た。
そして、最後に3課に顔を出した。
「行ってきまーす」
そこに残っていたのは松尾課長だけだったけど、2年近くお世話になった3課に挨拶しておきたかった。
この3課だったから私は救われたんだと、今なら思える。
「おう。もう行くのか?」
今は3課だけの課長になった松尾課長が律儀に返事をしてくれた。
「はい。行ってきます」
「そうか。佐々木、頑張れよ」
「はい…課長も」
「おう」
4課に行きたくないと我儘を言っていたのが昨日のことのよう。
最後に課長とニッコリ笑い合うと、エレベーターに乗りこんだ。

