一週間後、ようやく仕事に復帰して、キャリア・ウーマンばりに仕事に勤しんでるかと思いきや……

「だから。ここで入力するだけでは、在庫の数は減らせないの!」

病み上がりなのに、いきなり怒られている。

人形町支社の元物置、今4課のオフィスでは、PCの入力画面が印刷された紙を持ったまま、私と戸田君が森田さんから怒られている。

大切な受注の入力の仕方なんだけど、早口だし、専門用語が多いしで、途中からほとんど耳に入ってこない。

「さっき言ったでしょ?」

森田さんがイライラしているのが分かる。
分かるけど、入力の仕方は全く分からない……
隣をチラッと見ると、戸田君も私と大差ない。

「まぁまぁ、その辺にして…」

助けてくれた中川兄さんが神に見える。

「鶴見に着いてパソコンが設置できたら、俺が改めて教えてあげるよ」

その一言に肩から力が抜けた。

「ありがとうございます。良かった~。全く分かりませんでした」

戸田君が隣でそう言って笑っている。

私たち4人は今、南課長と大野さんが本社から戻ってくるのを待っている。

ただボーっと待ってるのも時間がもったいないと、朝出来上がったオンラインシステムの入力画面について、森田さんからレクチャーされていたところ。