外が暗くなって、窓に自分の姿が映ると、包帯でグルグル巻きにされている姿が痛々しかった。
少しずつベッドから起き上がって、歩いてみると、立っているのも大変で、ふらつく体でベッドに戻ろうとしていた時、ドアをノックする音が聞こえた。

「はい」

ドアがバっと開くと、大野さんがお見舞いの果物セットを持って入ってきた。

「何やってんだよ」

ベッドから降りている私を見て、開口一番そんな言葉。

「それどうしたの?」
「ベッドに戻れ」

私の言葉は聞こえなかったのか、スッと腕をとられてベッドに寝かされた。

「ちょっと歩く練習しないと、仕事溜まってるし…」
「ああ。早く元気になれ。復帰したら毎日残業だぞ」
「えー。ならゆっくり退院しよう」

ニッコリ笑って言うと、頭に手を置かれてくしゃっとされた。

心臓が大きく跳ねた。