どこをどう通ってきたとか、どれくらいの時間がかかったとか全く分からないのに、どうにか部屋に着いていた。

そのまま真っ直ぐお風呂に行くと熱いシャワーを出した。

冷え切った身体を温めるシャワーは、冷え切った心まで温めてくれるようで、

「うぅ……」

涙が止まらない。

怖くて、痛くて、何も考えないようにしていたけど、身体の震えが止まらない。
このままシャワーが何もかも流してくれたらいいのに……


だけど目に入るのは身体中に付いた赤い跡。
傷みたいな赤い印

それはシンさんの独占欲の証

シンさんの苦しみの数

身体の傷は治るからまだいい。
でも見えない心の傷は治らない。

私が一番知っていたことだったのに……

喉が痛い


もうどうしたらいいのか分からなくなった。

シンさんのとこへ戻った方がいいのか。
それとも……