メトロの中は、近過ぎです!

外は寒かった。
11月だというのに真冬のコートが欲しいくらいの冷え込み。

でも薄手の秋物のコートの襟を握りしめて、ひたすら歩いた。

身体中が痛くても、ひたすら歩いたのは、贖罪がしたかったから……

こんなことで私の罪は消えないだろうけど、電車に乗ることが許されないことのように思えた。

優しかったシンさんが変わってしまったのは私のせい。
あんな狂気に走らせてしまったのは、私の弱さのせい。

どんなにつまずいても、私は自分の足で帰るしかない。

通り過ぎる車の音が、次々に私を責めていく。
そのライトが私を照らして、私が犯した罪を白日の下に晒している。


家に帰りたい

それ以外、何も考えたくなかった。


喉が痛い……