メトロの中は、近過ぎです!

再び荒々しい口づけで唇を塞がれると、シンさんの手が私の上着をまくり上げて直に肌に触ってくる。
あっという間に上半身を裸にされ、露わになった胸を掴まれた。
痛さに顔が歪んだ。

シンさんの唇が首に降りていくと、小さく首筋が痛んだ。

「やめて…」

必死で抵抗すると片方の手で口を塞がれた。
その後も肩に胸に腕に、次々に小さな痛みが走る。

それは、シンさんの跡
シンさんのものだという赤い印

抵抗しても簡単に押さえられて、次々と赤い跡がついていく。

無数についた証。

自分が付けた跡を指で触りながら確認したシンさんは、次に私の服を剥ぎ取りにかかった。

「いやっ!」

抵抗しても容赦なく剥ぎ取られ、とうとう何も身に付けてない状態になると、シンさんは私の上に跨り力で押さえつけてきた。

彫刻のようだった綺麗な顔が、苦痛に歪み私を見下ろしている。

こんな顔をさせてしまったのは私だ。

身体の傷より、心の傷の方がずっと痛い。
私自身が知っていたことだったのに……

抵抗していた腕から力が抜けた。
その変化に気付いたシンさんがニヤリと笑った。

「ようやく分かったようだな…マホ」

素早く自分の服を脱ぎ捨てたシンさんが、無理やり私の足を開き中に入ろうとしている。

「ヤメテ…お願い…」

最後の気力で抵抗すると、頬を打たれ、両手を押さえつけられた。

「マホ…アイシテル」

痛みと共に下腹部に感じる圧迫感。

涙が止まらなかった。



心で繋がる行為があるなら、欲望だけの身体で繋がる行為もあると思う。
だけど、シンさんとの行為はどちらでもない。
ただそこには支配という言葉があるだけ。

支配する者と、支配される者。

そんな行為なら、まだ身体だけの行為の方がマシな気がする。