メトロの中は、近過ぎです!

シンさんがゆっくりと近づいてくる。

「シンさん。私、あの…子供って…」

距離を保っていようと、シンさんが近付いた分は私が後ろへ下がった。

黙ったまま近付いてくるシンさんが怖い。
壁際まで追い込まれた。
もう逃げ場がない。

「あの……私…帰ります」

逃げ出そうとした途端、凄い力で腕を掴まれた。

「痛い……」
「もっと早くにこうしてれば良かったな…」

強引に唇を重ねたシンさん。
両手で顔を抑え込んで、噛みつくような荒くて長い口づけ。
押してももがいても離れてくれなくて、口内も荒々しく蹂躙していく。

「う…はぁ、はぁ……」

やっと解放されたと思ったら、今度はいきなり担ぎ上げられた。

「やめて」

抵抗する私を物のように扱い、部屋を出て二階の中央にあったキングサイズのベッドに放り投げるシンさん。

体勢を立て直してシンさんを見れば、上着を脱ぎ捨て上半身裸になっていた。

「シンさん。止めてください!」

心臓が痛いくらいに激しく動いている。

「最初から体に覚えさせてれば良かったな。マホが誰のものかって……」

シンさんがゆっくり近づき足元から私の上に乗ってくる。

こんなのシンさんじゃない……

「お願い…やめて…」

ベッドの上で逃げるけど、すぐに押し倒されて、圧倒的な力で抑え込まれた。

恐怖でグショグショになった顔を必死で横に振る。
グイッとシンさんの顔を押し上げてみる。


私を見下ろすシンさんの瞳が鈍く光っていた。