「これ買いすぎだろ」
「やっぱり桜酒造さんのは置いてあるんだね」

桜舞と大量に買い込んだおツマミと飲み物を並べて、二人で乾杯をした。

「おかえり、はると君」
「何言ってんだよ…」

照れられると私まで恥ずかしくなる。

「今までどうしてたの?」

それから少しはると君の学生時代の話になり

「おまえはいつ引っ越したんだ?」
「会社に入ってから」

神奈川の実家の話をしたりした。

「なんで浦安?真逆じゃん」
「うーん。なんとなく…」

あんまり言いたくないことは誤魔化したり。

「今度から出勤大変になるな」
「そうだね。こっちに引っ越そうかな。その方が実家にも近いし…」
「そうなると末岡さんとは遠くなるな」

突然出てきたその名前に固まった。

「な……んで、知ってるの?」
「隣の駅なんだろ?聞いた」
「……そう」

私は桜舞をゴクリと飲んだ。

「おまえ、酒強いの?」
「あんまり……」
「なら、もうそれくらいにしとけよ。これ結構きついぞ」
「……うん」

全く酔ってる気はしなかった。
逆に冷めてしまったようなそんな感覚。