メトロの中は、近過ぎです!

午後からはご主人につきっきりでオンラインシステムについての講義を受けた。
プラス面とマイナス面、どちらも持っている。

そんな難しい話の最中に、

「お茶どうぞ~」

なんて奥様ののほほんとした声が聞こえてきて吹き出しそうになった。

「生姜のクッキーいただいたのよ。少し食べてみない?」

それからは、生姜のクッキーとおいしそうな紅茶の香りに包まれて研修させてもらった。

家庭的で温かい。
やっぱりこれこそが桜酒造の持ち味なんだろうな。
なら、うちの会社のうちの商品の持ち味とは?

すぐにそんなことを考えている自分に驚いた。

私がこんなに仕事人間とは思わなかった。

都会でたくさんの人間の中、誰と競うという訳でもないのに、いつも負けないようにと虚勢を張っている。
仕事でも、いつも認められようと無理してでもやってきた。

このままこの桜酒造さんで働くのもいいな~なんて少し考えた。

桜酒造さんの温かさは私のトゲを丸くしていくようだ。