シンさんからはそれ以降、電話は来なかった。
ただ翌日に『週末にどこか出かけよう』というLINEが来ただけ。
朝の電車も一緒にはならない。
もしかしたら私の気落ちの変化に気付かれたのかもしれない。
会社では、慌ただしく新規事業の準備が進んでいて、私の机の上には処理しきれない書類がたくさん積まれている。
忙しいと他のことを考えなくていい。
終わりが見えないくらいの書類の山に、ため息をつきながらEnterキーを押した。
そんな時に、突然大野さんに呼ばれた。
「原田さん、佐々木さん。ちょっといいですか?」
ちょうどこの3人しかオフィス内にいない時間。
最近はこのパターンが多くてウンザリ気味だった。
「は~い。次は何ですか?」
完璧に私の存在を無視して麻紀さんが大野さんのデスクの横に立つ。
私は処理中の画面を保存してからゆっくり二人に近づいて行った。
「急なんですが、明日から3人で研修に行きましょう」
「え?」
「研修?」
大野さんの言葉に麻紀さんと声が被った。
「はい。下田にある酒造メーカーさんを紹介してもらえることになりました」
「伊豆の下田ですか?」
「はい。そこはオンラインの受注が半分以上で、一時は倒産寸前だったところを、今では毎年200%の伸び率らしいです」
「すごいですね」
考えるより先に口から言葉が出る私とは違い、
「そちらでオンラインシステムを研修するんですか?」
麻紀さんは冷静だった。
そんなところはさすがだなと関心してしまう。
ただ翌日に『週末にどこか出かけよう』というLINEが来ただけ。
朝の電車も一緒にはならない。
もしかしたら私の気落ちの変化に気付かれたのかもしれない。
会社では、慌ただしく新規事業の準備が進んでいて、私の机の上には処理しきれない書類がたくさん積まれている。
忙しいと他のことを考えなくていい。
終わりが見えないくらいの書類の山に、ため息をつきながらEnterキーを押した。
そんな時に、突然大野さんに呼ばれた。
「原田さん、佐々木さん。ちょっといいですか?」
ちょうどこの3人しかオフィス内にいない時間。
最近はこのパターンが多くてウンザリ気味だった。
「は~い。次は何ですか?」
完璧に私の存在を無視して麻紀さんが大野さんのデスクの横に立つ。
私は処理中の画面を保存してからゆっくり二人に近づいて行った。
「急なんですが、明日から3人で研修に行きましょう」
「え?」
「研修?」
大野さんの言葉に麻紀さんと声が被った。
「はい。下田にある酒造メーカーさんを紹介してもらえることになりました」
「伊豆の下田ですか?」
「はい。そこはオンラインの受注が半分以上で、一時は倒産寸前だったところを、今では毎年200%の伸び率らしいです」
「すごいですね」
考えるより先に口から言葉が出る私とは違い、
「そちらでオンラインシステムを研修するんですか?」
麻紀さんは冷静だった。
そんなところはさすがだなと関心してしまう。

