スマホの暗い画面をもう何回も見ている。
もう少しで10時になるという時に光った画面は、シンさんからの着信を知らせる文字が浮かんでいた。
「もしもし…」
「マホ。お疲れ様~」
その声の機嫌の良さに安心した。
「もしかして飲んでますか?」
「うん、わかる?会社のやつらと一緒」
「楽しそうですね」
「ううん。おごらされてるから、楽しくないよ」
はは…と続けるシンさん。
「おごってるんですか?」
「そう。マホの会社の仕事譲ってもらったからね」
「え?」
「本当は違うやつが担当する予定だったけど、変わってもらった」
「え?なんで?」
「普通にしてたら会えないからじゃん。寂しい思いさせてごめんね」
ギリッと胸が痛んだ。
「……」
喉が引きつって返事ができない。
「マホ…でも、まさかマホの部署とは思わなかった。ラッキー」
「シンさん…」
「あ、ごめん。呼ばれてる。また電話するよ」
すぐに電話は切られてしまった。
真っ暗になった画面をずっと見ていた。
私はズルい。
自分が誰に惹かれているか分かっているくせに、本当のことは言えずにいる。
これは間違いなく裏切り行為だ。
シンさんの方がかっこいいんだから、浮気されるんだったら私の方だと勝手に想像していた。
それどころか私のことなんて本気じゃないんじゃないかとさえ思っていた。
もうこの気持ちを隠せる自信がない。
ごめんなさい…
もうシンさんには言わなければいけない。
もう少しで10時になるという時に光った画面は、シンさんからの着信を知らせる文字が浮かんでいた。
「もしもし…」
「マホ。お疲れ様~」
その声の機嫌の良さに安心した。
「もしかして飲んでますか?」
「うん、わかる?会社のやつらと一緒」
「楽しそうですね」
「ううん。おごらされてるから、楽しくないよ」
はは…と続けるシンさん。
「おごってるんですか?」
「そう。マホの会社の仕事譲ってもらったからね」
「え?」
「本当は違うやつが担当する予定だったけど、変わってもらった」
「え?なんで?」
「普通にしてたら会えないからじゃん。寂しい思いさせてごめんね」
ギリッと胸が痛んだ。
「……」
喉が引きつって返事ができない。
「マホ…でも、まさかマホの部署とは思わなかった。ラッキー」
「シンさん…」
「あ、ごめん。呼ばれてる。また電話するよ」
すぐに電話は切られてしまった。
真っ暗になった画面をずっと見ていた。
私はズルい。
自分が誰に惹かれているか分かっているくせに、本当のことは言えずにいる。
これは間違いなく裏切り行為だ。
シンさんの方がかっこいいんだから、浮気されるんだったら私の方だと勝手に想像していた。
それどころか私のことなんて本気じゃないんじゃないかとさえ思っていた。
もうこの気持ちを隠せる自信がない。
ごめんなさい…
もうシンさんには言わなければいけない。

