「……はい」
「4課でやっていくか?」
「はい」

大野さんは目を開けニヤリと笑った。

「よし。ならコーヒー飲んでいいぞ」
「それ自分で買ったんですけど…」

大野さんが自分の隣のソファーの空いているところを叩くから、そんなことを言いながら横に座った。

「これからもっと忙しくなるからな。もう倒れるなよ」
「大野さんこそちゃんと食べてくださいね」

少し冷めた缶コーヒーに口をつける。
大通りの車が次々に部屋を照らしていく。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

何も話さない方が余計に大野さんの存在を大きく感じて、鼓動が早くなる。

落ち着け、私の心臓…

「真帆…」

人が落ち着かせようとしているのに、名前で呼ぶな!