それから私たちは食事にした。
シンさんは本当に疲れているみたいで、食事が終わると眠そうだった。

「送るよ」

シンさんは本当に私のことを大事にしてくれている。
この人を悲しませちゃいけないと、改めて思った。

私には勿体ないくらいの人なんだから……


二人で駅までの道を歩く。

シンさんは当り前のように腕を出してくれて、二人で腕を組んで寄り添って歩いた。

「やっぱり帰したくないなー」

シンさんがもう真っ暗になった空に向かって言った。

「いや、でも大事にするって決めたから……」
「それいつ解禁になるんですか?」
「マホが望むなら今日でもいいよ」
「あはは…早っ」
「そうだなー。あと何回かデートとかしなきゃなんだろうなー」
「なんの実験なんですか」

二人で笑った。

「やっぱりディズニーランド行ってからじゃないか?」
「あ、ディズニー良いですね。やっぱり千葉県民としては必須ですよね~」

そんな他愛もない会話が本当に楽しかった。