「本当は昨日の夜に来ようかと思ったけど、おまえが電話に出ないし。やっぱり夜はまずいよなーって」

そうだよね。
ただの同僚として心配してくれたんだよね。

ホッとするのと同時に苦いものが胸のあたりに広がる。

「昨日は寝れなかったんだろ?」
「……」
「さっきの顔ひどかったもんな」

大野さんはニヤリと笑っていた。

「女子の部屋に朝早くに来ちゃいけませんって習わなかった?」

「…おまえはそっちの方がいいよ…」

優しく笑った大野さんにまたしても胸がぎゅーっとなる。

例え私が惚れっぽい性格だったとしても、本人の意思を無視してときめいちゃったりするのやめてほしい…