「……長野?聞こえてる?」 「え…」 不意に隣から呼ばれて、立ち止まる。 考え事をしていたあたしは、覗き込むようにしてあたしの顔を見ている彼の肩越しに窓の外の方に視線を投げた。 其処には大分夕暮れから時間が経って、空には薄っすらと月が見えいる。 何時の間にかこんな時間になってしまっていたのかと驚く。 人のいない校内は、昼間と違って制服では隠せない素肌に冬の寒さが染みてくるようで。 ふる、と震えると心配そうな顔が更に近付いてあたしは、我に返って盛大に驚いてしまった。