知っていたよ。
ほんとはすごいヤキモチやきだって。

でもお互いわかってて付き合っていたのだから、ケイの父親は結婚して子供もいるだろうと、母が言った話をした時、だろうね、なんて言って欲しくなかった。

ただでさえ仕事でくたびれてた彼は自分なんて意味ないって落ち込んだ。

傷付けてしまった。

でもお互い様でしょう。

私は彼にも深く傷つけられたし、一度や二度じゃない。

結婚もして出産して子供までいる相手と引き裂かれた私は戦争を体験して記憶を無くす程の出会いと出来事で、どちらも消せやしない出会いなんだって言った。

私は【あの夏の永遠】を書いてから、共感や理解し、応援してもらった事で、少しは前にゆける勇気もできたし、彼と一日ずつをとにかく生き抜く決心も少しは見えてたのに、なかった事になんてできないよ。

それはどうしても。

その人だけには言って欲しくない事ってあるよ。

それは向こうにも同じだと思う。

いけない、興奮したら、喘息と胃痙攣と繊維筋痛症が出そう。